小太郎さんのいる日々

スキッパーキの小太郎さんと自堕落飼い主のどうということもない日々の記憶

なぜ、スキッパーキを飼ったのか?

昨日の日記に書いたように、我が家では40年近くの間、(小太郎さんを除いて)4代にわたり柴犬もしくは日本犬の雑種を飼ってきた。僕自身、柴犬も大好きだし、新たに犬を飼うなら慣れている柴犬を飼うのが順当なのだが……。

スキッパーキという犬種を初めて知ったのは小学校低学年の頃だった。母が当時飼っていた初代の柴犬を動物病院に連れて行くので一緒についていったその待合室に、色々な犬種の図案を載せたポスターが貼られていた。

犬種の名前などの表記がアルファベット(恐らくは英語)で書かれていたから、多分海外のものだったのだろう。その片隅に描かれた小さくて黒い犬の絵が強烈に印象に残ったことを覚えている。

特にスキッパーキが印象に残ったのは、断尾した独特のシルエットのせいだったかも知れない。どことなく柴犬や日本犬に似ていながら尾のないその犬の姿に興味を抱いたのだろう。以来、犬のことと言うとその黒い小型犬のことが思い出されて仕方なかったのだが、それがスキッパーキ(最初はシッパーキー)という犬であると知るのは、だいぶ後になってからだったと記憶している。

同居している母は、主に自宅で仕事をすることが多く外へあまり出かけない僕の生活を案じて、新しい犬を飼うように薦めてくるようになったのは、先代の犬が死ぬより2年は前のことだったと思う。当時既に先代の柴犬(あーちゃん)は15歳を過ぎており、散歩の量もめっきり減っていた。

確かにここで多頭飼いにする手もありかなあ、とも思ったりしたが、年寄りになるまで他の犬と一緒に暮らした経験のないあーちゃんにストレスをかけることになるという懸念もあり、結局彼が息を引き取るまで新しい犬を飼うことはなかった。

これま飼ってきた犬はすべて父が選んだものだったが、その父も数年前に他界しており、別に柴犬を飼うことにこだわる必要はなくなっていた。あーちゃんの後を継ぐ犬の条件として僕が考えたのは第一に柴よりも小型の犬を飼うということだった。

あーちゃんの元気な頃は、朝夕2回、1時間くらいずつの散歩が欠かせなかった。家族交代で散歩させていたので問題はなかったのだが、今度犬を飼うとなればそうはいかない。できれば柴犬より運動量の少ない小型犬が良いだろうと考えた。

そこで思い出したのが、子どもの頃に心惹かれていたあの黒い小犬……スキッパーキのことだった。ネットで調べていくと、『活発だが小型犬なので運動量はさほどいらない』とか『静かな歩調で慎重に歩くので原産国(ベルギー)では老人のお供として人気がある』といった表記を見つけ、これはいいかも知れない……そう考えたのであった。

かくて2013年3月9日、千葉のブリーダーの犬舎からスキッパーキの子犬……小太郎さんがやってきたのである。上記したネットでの評判がまったくデタラメだったことを知るのに、それほど時間はかからなかったという……(自爆