小太郎さんのいる日々

スキッパーキの小太郎さんと自堕落飼い主のどうということもない日々の記憶

小太郎さんのしっぽ(断尾の話その3)

小太郎さんと血縁関係にある「おもち」君のBlog『きなこもちろぐ』さんが、血統書や断尾の話に触れられている。

実は、小太郎さんを我が家に迎えた時からブリーダーに対してある種の不審感を抱いていた点がある。おもち君の血統書の話などを伺って、それはより確信に近づいたのだが、その話題に触れることについては躊躇していた。正直、あまり気分のいい話題ではないし、自分の想像の域をでないのも確かだからだ。

しかし、やはり小太郎さんを選んで飼い主となった責任を考えると、いつかどこかで触れておくべき事と考え、ここに書いておくことにした。それでも良いと思われる方は、『続きを読む』をクリックしてください。


『もちろぐ』さんが触れられていた通り、小太郎さんやおもち君が生まれる前後、件の犬舎ではかなり急激なインブリードが行われていた可能性が高い。そしてどうやらそれは、ブリーダーの経営不振に原因があったと考えられる。

そう思ったのにはいくつかの理由がある。ブリーダー氏曰く、共同経営者が入院してしまい仕事の手が足らないということだったが、それにしては犬の管理がずさんに見えたこと。我が家に迎えた直後の小太郎さんは、子犬らしいころころとした愛らしさに欠け、肋が浮き上がる程に痩せていた。小太郎さんを受け取った際に『水はドッグフードをふやかす程度の水分で十分だから、他に与える必要はない』『餌は指定された分量より少なくていい』というアドバイスも疑問だった。どこのサイトや参考書を読んでも、子犬には水を与えなくていいと書かれているところなど、少なくとも自分が知っている範囲では存在しない。

主張する小太郎さん - YouTube
我が家に来たばかりの小太郎さん。スマートと言えば聞こえがいいけど……。

小太郎さんには我が家に来た時から異物食いや食糞のクセがついていた。特に新聞紙を当たり前のように食べてしまう。犬舎のケージには細長く切った新聞紙が敷き詰められていたことを覚えている。おそらく、小太郎さんは空腹を紛らわせるために新聞紙や排泄物を食べたのではないだろうか。(このクセはいまだ抜けきっていない)

自分がブリーダーの犬舎を訪問した際、売りに出されていた子犬は小太郎さんと(後の)おもち君を含めて数匹いたのだが、不思議なことに、その半分だけが断尾され、残りは断尾していない子犬だった。サイトには断尾していない子に関して『最近の状況を鑑み断尾していません』という注意書きがあったのだが、これも今から思うと『断尾している子が欲しい』『断尾してない子がいい』という双方の需要に答えようとして、そのような中途半端な処置を取ったのではなかろうか。

直接話を聞いた限り、どうやらブリーダー氏はレア犬種であるスキッパーキの子を沢山揃えればそれだけ売れると踏んでいたと思しきところがある。サイトにはベビーラッシュでたくさん子供が生まれた、とあったが、血統書の交配を見るに、それはたまたまそれだけ子犬が生まれたのではなく、インブリードによって無理に増産された可能性が高い。

なにより、自分の不審感を決定づけたのはブリーダー氏が『ただでいいからもう一匹連れていかないか』と言われたことによる。思えば、小太郎さんの”値付け”自体も、自分が確認した限りでは2度にわたって下げられていた。状況から見て、明らかに子犬たちを持て余し、早く『処分』したいと考えていたようにしか(今となっては)思えない。
家庭や仕事の状況から考えても、一匹手元に置くことが精一杯だと思ったから断らざるを得なかったが、今となっては少し後悔していることも確かだ。

結局、おもち君以外の子犬たちがどうなったかは分からない。おもち君が幸せでいることは何よりも嬉しく思っている。今となってはあの時いた他の子犬たちも、おもち君のような飼い主さんと巡りあい、幸せに過ごしていることを祈るばかりだ。

小太郎さんは今こうして元気で健康な姿でここにいてくれている。
今はただ、できる限りのことを小太郎さんにしてあげるだけだと考えている。小さな生命を引き受けた者の責任として。